おしらせ

アート×木材 制作風景&インタビュー
2025年2月25日から3月7日にかけて、あしがら森の会議が運営する宿泊施設「こもりび」に滞在しながら、虫くい痕や節のある木材を使ったアート作品の制作に取り組んだ絵描き忍者千senさんにお話を伺いました。
制作の様子は以下の動画からご覧ください。
絵描き忍者千sen プロフィール

子どものころから水戸黄門を見て育ち、江戸時代の循環型の暮らしに憧れるアーティスト。地下足袋で全国各地を旅歩き、廃材アート・壁画・ライブペイント・楽曲ジャケット制作など幅広いアート活動を行う。
Q. 当初あしがら森の会議から滞在制作の企画を聞いたとき、どのように思いましたか?
自分はゴミの出ない循環型社会を目指して、これまでも廃材を使った作品づくりなどをしていましたが、アートで林業の地域課題(虫くい痕のある木材の活用)に取り組めるというところに魅力を感じ、ぜひ一緒に取り組みたいと思いました。
Q. 滞在期間中、どのような作品を作りましたか?
通常はあまり使われない、虫くい痕や節のある木材を積極的に選び、その表情から浮かび上がる生命の姿を捉え、描きました。自分はこれを「描きおこす」と呼んでおり、その根底には、すべてのものに魂が宿っているという日本古来の考え方があります。
Q. 昔から絵は好きだったんですか?
物心ついたときからよく絵を描いており、朝食のパンの上で、ジャムと牛乳を使ってグラデーションを描いたりしていました(笑)。
Q. 今回制作した作品を通して何を届けたいですか?
自分にとって木材は落ち着きを与えてくれる存在です。作品を見てくれた方に癒しを届けながら、間伐した木を使うことは森や水を守ることにつながるということも伝えていきたいです。
また、自分自身がマイノリティの当事者であり、父が障がいをもっていたこともあって、個性がゆえに省かれてしまう木材に光を当てることで、マイノリティや障がいなどで息苦しさを感じている方々が、自分自身に対してもっと前向きな気持ちになってくれたらいいなと思います。
Q. 実際に虫くい痕や節のある木材を使ってみてどうでしたか?
今までは木材を絵具で塗りつぶして描くことが多かったですが、今回は虫くい痕や節という個性がある木材なので、自分本位で人工物を描くのではなく、木の声を聴きながら、そこに宿っているものを見つけるような「木主体」の感覚で作品づくりに取り組みました。
なかなか描くものが見えてこないという難しさはありましたが、それが見つかったときの嬉しさはひとしおで、一期一会の楽しさがありました。
Q. 11日間こもりびに滞在してどうでしたか?
とても静かで、近くに歩いて行けるお店などの誘惑がないため、作品づくりに向き合うにはぴったりの環境でした。自分のアトリエなら数か月かかるようなものが、ここでは1週間でできました。
もちろんその分心身が疲れるので、お風呂が毎日の楽しみでした(笑)。大きくてキレイで最高でしたね。
Q. お風呂以外にもよかった設備などはありましたか?
ホワイトボードが使えたので、滞在中の予定などを書いてスケジュール管理していました。また、リビングのテーブルが大きかったので、画材や作品を広げても、まだ使えるスペースがあって、作品づくりにはもってこいでした。
Q. 今後、どんなアーティストを目指していきたいですか?
自分は新宿で育ったのですが、自然や日本の和の心が好きで、そうしたものを広めていきたいです。人のため、自然のため、どちらか一方のためだけではなく、「人も自然も」癒すアーティストになりたいです。
今回制作した作品は、今後東京や関西などで開催する個展でお披露目される予定です。最新情報は千さんのInstagramにてご確認ください。
(おわり)